2024年11月。最近急に冬めいてきたな~と思っていたころ、大学の友人から一通のLINEが。
「来週末、長野行かない?」
急。急だな~。でも行きたい。
翌週は日曜日の夕方に海を見ながら焚き火の予定があったので、土曜日朝~日曜日お昼までの弾丸で、長野に行くことに。
一泊&公共交通機関旅なので、長野駅付近に絞ってゆっくりと満喫しました。
1日目
朝、東京駅から新幹線で一路長野へ。
高崎駅でなにかすごく特別な列車の運転があって、大盛り上がりしていた。
東京駅から1時間半、11時ごろ長野駅に到着。あっという間。
はじめて新幹線で来ましたが、高崎くらいの栄え具合かな?
駅前のホテルに荷物を置いて、とにもかくにもメインの善光寺に向かうことに。
私は子供の頃の家族旅行以来、友達は初。
長野駅から善光寺は約2km。駅前からバスで15分……とのことでしたが、2kmなら歩けるやろ?の気持ちで歩いていくことに。東京の人はよく歩く、って言うよね。
マンホールがリンゴでした!かわいい!
駅前からは一本道ですが、ずっと参道になっていて、標識もあるのでとても歩きやすい。
おそらく現地の小中学生が書いた切り絵?が一つひとつ飾られていてかわいい。
歩く人はほとんどいないのか、みなさん自家用車で行かれるのか、道行く方は少なめ、ほとんど地元の方。
参道の両サイドは年季を感じる個人商店が多め。
途中の商業ビルの名前は「もんぜんぷら座」。このセンス、好き。
朝ごはんに新幹線でおにぎりを食べたはずなのに、なぜかふたりともすでに大空腹。
調べたところ、善光寺の御本尊は、正午になると掛けられた御簾が巻き上げられる御開帳があるそう。
ぜひ見たかったので、本格的なお昼ご飯は後回しにしてひとまず名物のおやきをいただくことに。
参道の商業施設「ぱてぃお大門」さんの小川の庄さん。
ここでは、一般的な蒸しおやきのほかに、参道でここだけの「焼きおやき」を売っているそう!
言われてみれば蒸しのイメージしかなかった。
よく食べる蒸しおやきのもちもち感は薄く、薄い固焼きパンみたいな感じ?
美味しかった(のですが焼きのタイミングの問題なのか友達の野沢菜はアッツアツだったけどわたしのあずきは冷えてて悲しかったのでアッツアツが良い方は聞いてみた方がいいかも)です。
具がたっぷりでしたがペロリ。
12時目指して参道を進みます。
参道にあった洋館藤屋さん。
古くは大名が参勤交代の際に宿泊した「御本陳」、いまは結婚式場だそう。とっても素敵な洋館で、入ってみたかった……けどこの日のランチは結婚式で貸し切りのため入れず。残念。
阿吽の飾られた仁王門。
仁王門を超えると、有名な仲見世です。
いっきに人出が増えて、ものすごい人混み。
ところで、さっきおやきを食べたのに、それが呼び水になったのかめっちゃお腹が空いていた私たち。
ここで、めっちゃおいしそうなお店を見つけて追いおやきをしてしまいました……
ねぎ味噌チーズ。
こちらのは蒸しておいたものを注文が入ってから揚げ焼きしたようなおやき。
もちっとカリカリ、ジューシーで美味しい。若者向けかも。
おいしい~チーズとろとろ~とか言っていたら気が付きました。12時から御開帳、あと5分……!
急いで食べ終えてダッシュする羽目に。
ところが、まだここからがけっこう長かった……
山門。ここからがいわゆる善光寺境内エリア。
善光寺本堂。
本堂内は撮影禁止です。
めっちゃ頑張って早歩きしたのですが、一歩間に合わずすでに御開帳しきったとってもオープンな状態でした……カナシミ……
気を取り直して、チケットを買って拝観することに。(このチケット、2日間有効なので、お泊りになって翌日のお朝事(後述)を見る方は忘れずに!私たちは知らずに忘れました……)
善光寺でチケットが必要な個所は、
①本堂のお戒壇巡り
②山門の二階
③日本忠霊殿(三重塔)
のみっつ。セット券を買って、まずは本堂のお戒壇巡りから。
日本の仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、宗派を限らずお願い事が可能な霊場と位置づけられています。
また女人禁制があった旧来の仏教の中では稀な女性の救済が謳われた寺院であることも特徴。
現在は天台宗と浄土宗がともに運営維持を担っていますが、そのうち浄土宗の中心「大本願」は尼寺です。
本尊は日本最古と伝わる一光三尊阿弥陀如来(善光寺如来)で、絶対秘仏として公開されることはありません。
その御本尊に近付いてご利益を得るのが、本堂の地下へと入る「お戒壇巡り」。
階段で真っ暗な地下へと降りて、ご本尊の真下へと行けるのです。
これが、想像していたより真っ暗で……!現代社会って本当の「真っ暗闇」にあまり遭遇しないと思うのですが、入り口の角を曲がったら、上を見ても後ろを見てもなんの光もない!
右手で壁の手摺を握りながら、前の人にぶつかり後ろの人にぶつかられ、ゆっくり進むと、金属の手摺のような「錠前」があります。それを握ると、極楽浄土へ行けるのだとか。
御利益もさることながら、ちょっとした冒険気分で子供のころ来た時にすごくわくわくしたのをよく覚えています。(子供の頃の全控除旅行で覚えている記憶はお戒壇巡りだけ)
ちなみに大人になった今回は、同じようにワクワクしつつも、板の間が寒くて辛かったです……。真冬に行かれる方はお気をつけて。
本堂をゆっくり味わった後は、三重塔へ。
ここでは戊辰戦争から第二次世界大戦に至るまでの戦没者が祀られています。
1階には善光寺資料館があり、善光寺所蔵の仏画などの展示が。ダライ・ラマ14世のお手蹟もあり。
個人的には、砂曼荼羅にずっと興味があったので、はじめて実物を見られて超感動しました!!!!極彩色で綺麗でした……ダライ・ラマ14世が眼をお入れになったそう。
仏教とあまり関係ないけど感動したのが、東郷平八郎と乃木希典の切手で作られた「忠霊」の文字。
最後に山門の二階へ。
階段がものすごく急なので、足元の不自由な方はお気を付けください。
山門は重要文化財。山門本尊の文殊菩薩騎獅像や、四国八十八ヶ所霊場御分身仏などが安置されています。
境内のイチョウ、紅葉しかけのグラデーションが鮮やか。
はむかっぱちゃんにも山門からの景色を見せてあげました。
善光寺をゆっくり周ったところで、遅めのお昼ごはんに。
仲見世・参道にはお蕎麦屋さんがいくつもあります。私たちは事前に目をつけていた、丸清さんへ。
いちばん人気は、ざる蕎麦とソースカツ丼のセット。この半熟卵がソースカツによく合って……お漬物の横の甘しょっぱく煮た生姜がめちゃめちゃ美味しくて……きのこおろしも爽やかで……最高でした……!
善光寺名物七味のお店も、仲見世にあります(エキナカビルにもあり)
お蕎麦で満ちたあとは、ふたたび仲見世、蜜芋スイーツ屋さんへ。
さきほどのねぎ味噌チーズおやき屋さんの向かいにあって、おやき食べてるあいだずっと美味しそうだなって思ってたんだ……
蜜芋のクリームチーズブリュレ、アイスのせ。罪の味。最高。極楽にはいけないかもしれない。
おなかが満ちに満ちたので、14時過ぎ、次の観光地へ向かうことに。
ふたたび善光寺方面に歩いて、さらに奥、城山公園へ向かいます。
善光寺の鐘楼・梵鐘。紅葉と相まって雰囲気たっぷり。
向かったのは、城山公園内、長野県立美術館。
2021年に改装した同美術館は、「ランドスケープ・ミュージアム」のコンセプトのもと、公園内にもたくさんのモニュメントが置かれています。
本館の常設展のほか、長野とゆかりの深い東山魁夷美術館もあり。
このときは、「細見美術館の名品」展をやっていました。
細見美術館展がとっても見応えたっぷりで、時間が全然足りなかった……常設展を見逃してしまったので、またゆっくり行ってみたいです。
建物は水を優雅に使った造りで、東山魁夷館と本館の通路からは綺麗に中庭が見えました。
17時、ホテルに戻ろうか、と、ふたたび善光寺を通り抜けに。
あれ? 明かりがついてる……
実はこの期間、「十夜会」という法会があって、夜7時から普段は非公開の「十夜仏」を御本尊の前に遷座し、五穀豊穣を祈りながら法要が行われるのでした。
よくわかっていなくて見逃してしまって悔しい限り……
でも夕暮れの善光寺、雰囲気たっぷりで、歩いているだけで静謐な気持ちでした。
光りの道ができていて神秘的。
仲見世も十夜会があるからか?まだまだ明かりがついていました。
夜の明かりで、仁王像も陰影がくっきりして、よりいかめしくなってます。
夜の藤屋さんも素敵! ここでディナーするかかなり迷いました……ラフな格好すぎてちょっと場違いだからあきらめちゃった……
善光寺郵便局は、以前は和風旅館だった建物を改修して使用しています。
城山公園から善光寺信号まで15分、善光寺信号から20分ほど。
いっぱい歩いて、ようやくホテルまで。
ホテルは長野駅直結、東急REIホテルさん。駅の真ん前なので、行き帰りに荷物を預かってもらうのが便利でした。
お夕飯、寒いからラーメンか鍋かな~……とか言いながら、ホテルフロントでお教えいただいた地のものをたくさん食べれるという居酒屋さんに。
これが大当たりでした……!
門前酒場山里さん。長野駅から5分ほど。
お通しは鴨のスモーク・ポテトサラダ(タラモサラタ)・酢蓮・さつまいもチップス・板蕎麦ガレット。
すでにこの時点でもう美味しい。
お豆腐サラダ。なんでただの豆腐がこんなに美味しいんだ……水がいいとか……?
信州サーモンと大岩魚の刺身盛り。とろける……。
長野県の郷土料理だという、板蕎麦をカリカリに焼いてねぎ味噌を載せたもの。ねぎ味噌が美味しいんだから美味しくないわけがない……(でも二人だとちょっとお腹いっぱいでした、お通しも蕎麦ガレットだから重なるかも)
名物山賊焼きハーフ。ハーフもあって親切、ふたりなら十分です。
にんにくがたっぷりだけど、カラッと上がっていてしつこくない。
〆の玉子かけご飯。お漬物のみじん切りが付いてきて、生卵ではなく温泉玉子。これもひとひねりあって美味しかった……。
さらに〆の蕎麦ジェラート。
そしてこの店、なにより、提供がめちゃくちゃ速い!ドリンク、体感30秒で出てくる。
人気店のようでずっと満席でしたが、長野駅前で居酒屋さんをお探しなら、とってもおすすめです。
この日はこれで終了、ホテルに戻ってお土産を眺めたりして、
2日目の早起きに備えて9時半に寝ました……。
2日目
日曜日、午前4時半。
早起きって、早起きにもほどがある……。
善光寺では、日の出とともに行われる「お朝事」という法要があります。
法要の中では普段閉ざされている御本尊前の戸帳が上げられ、善光寺の御本尊である一光三尊阿弥陀如来像が納められた瑠璃壇【るりだん】と厨子【ずし】を垣間見ることができます。
また、参列者は、「お数珠頂戴」といって、住職から功徳を授かることもできます。
それに参列するため、「日の開ける前」に善光寺に向かうことに。
11月現在の日の出は6時20分ごろ。バスもまだないため、誰もいない参道を通ってふたたび善光寺へ。
6時前の境内。ものすごく、寒い。日が出ていないんだから当たり前だけど、地面から冷たさが伝わってくる。
夜明け前ですが、各宿坊にはすでに明かりが。
朝焼けを背景にした六地蔵。
お朝事は有名と聞いていたのに誰もいないな~と思っていたところ、地元の方に話しかけられ、衝撃の事実が。
なんと、日の出ちょうどなわけではなく、今月は6:30と7:00と決まっているのだとか……!
無駄に早起きして寒い思いをしてしまいました……。
早起きに三文の徳を与えたいと思ったのか、暇なのか、地元の方がそのまま境内を案内してくださることに。
善光寺は、天台宗と浄土宗、ふたつの宗派によって運営されています。
天台宗の代表寺・大勧進と、浄土宗の代表寺・大本願、そしてそれぞれに連なるお寺から成り立つ善光寺山(この「山」はお寺群、というイメージ)
正面のガラス窓の建物では、「お寺カフェ」が営まれています。
散歩しているうちに6:30になり、人も増えてきて、いよいよ本堂へ。
6:30には天台宗の代表寺・大勧進から、7:00には浄土宗の代表寺・大本願から、それぞれ住職(大本願は尼寺なので女性)が出てきて、本堂で法要を行います。
それを列になって正座して待っていると、頭の上をお数珠で、大勧進はわりとがさっと、大本願はそっと撫でてくださいます。これが、お数珠頂戴。
そのあとは本堂に入り、御簾をあげて法要を営むのを拝見します。
朝の静謐な空気に数十人からなるお経が響いて、とっても壮大!
……ただ、靴を脱いで畳に正座するので、ものすごく足が冷たい……地元の常連さんらしき方が皆さん立ったままなのはそのせいかもしれない……冬は手足を温めるカイロなど必須かもしれません。
そのあとはさらに地元の方が、境内付近を案内してくださいました。
静岡県御前崎市にある「桜が池」と繋がっていて、そこに住む竜がこの池を通ってお参りに来るのだとか。ちなみに、長野の諏訪湖とも繋がっているという説もあるそう。
善光寺は以前はこの地にあったのだそう。
日が少しずつ出てきて、あたたかくなってきたので、ひなたぼっこしているねこちゃん。
お朝事がひと段落したので、さきほどの大本願の「お寺カフェ」で朝ご飯をいただくことに。
お箸袋には、住職が書いてくださったお言葉が。
意味を見ずに心に最も刺さった言葉を選んで、それが今の自分にふさわしい意味の言葉なのだそう。
外が寒かったので、あたたかいカフェでほっとひと息……。
雑穀の茶粥にお野菜の御煮物、胡麻豆腐など、これがまたどれも美味しかったです……!
動物性たんぱく質はないですが、どれもわりと濃い味付けなのでとても満足感がありました。
お腹いっぱいになった後は、昨日と同じ城山公園に行って、今日は「動物公園」を観光。
なんと、ここが入場無料!地元の家族連れですごく賑わっていました。
動物大好きなので、楽しみすぎて開園待ちするレベル。
ガードレールがりんご! かわいい🍎
アザラシ
モルモットとウサギ
サル
有料の遊園地コーナーもあり、メリーゴーラウンドやモノレールなど。
リス
フラミンゴ
シカ
ペンギン
ケープハイラックス
なんと、ケープハイラックスのおやきがたまたま今日誕生日!おめでとう👏
おやきのおやき、センスありすぎる。ぜったいほしい。
日向ぼっこでお昼寝が趣味だそう。かわいい
リクガメ
ぐるっと見て回った後は、売店で「おやきのおやき」を手に入れました。
ご近所のお菓子屋さんから取り寄せているそうで、具沢山、あったかくはなかったけど、むちっとしていて美味しかったです。
バターどら焼きもおいしかった……。
動物園を満喫して、そろそろ帰りの新幹線の時間。ゆっくり駅までまた歩いて帰ることに。
実は、気になってるものがあったから……それは……
プレミアムおやき!
これめちゃめちゃ美味しかったです!具沢山で味が濃くて!
いっぱい食べたおやきのなかでイチオシでした。仲見世にあるので、ぜひ!
さらにさらに、気になっていた竹風堂さん。
なんと、善光寺の竹風堂さんは、栗おこわ発祥の地なのだとか。
まだ食べるの?という感じですが、まだ食べます。さっきのは10時のおやつ、これはお昼ごはん。
(とはいえおこわ少なめを頼んだけど……)
もちごめなので少なめでも食べ応えたっぷり!おなかいっぱいでした。
駅まで戻ってホテルで荷物をピックアップしたあと、エキナカビルのお土産屋さんでお買い物をして、13時前の新幹線で長野を発ちました。
一泊二日、大満喫、おなかいっぱいの二日間でした!
ちなみにそのあとの焚き火で
プレミアムおやきを焼いて食べたのですが、これがまた美味しかった……
お土産のおやき、トースターで焦げ目付けるの、ありです!